Exhibitions
ACG eyes 2 : 太田三郎を中心にー日常の、アートー
2009.1.13 [fri] – 2.14 [sat] 11:00~19:00(土曜日は〜17:00) ※日・月・祝 休廊
目を覚まし、顔を洗い、朝食を食べ、歯を磨き、服を着替え、電車に乗って出かけ・・・、わたしたちは日々あらゆる「小さな仕事」を行いながら生活しています。それらの行為は淡々とこなされる毎日の決まりごと=ルーティーンであり、退屈で平凡な日々の象徴でもありますが、そうした取るに足らない、些細な行為の積み重ねのなかには、その人なりの癖や工夫、こだわり、関心事といったものが無意識のうちに組み込まれ、それは同時に、ささやかでかけがえのない日常、その人の「生」を少しずつ紡ぎ出していく営みであるともいえます。
アーティストにとって、作品を生み出すという行為は日常からかけ離れたことではなく、つねに日常の経験と密接に関わり合っています。今回、太田三郎を中心に紹介するアーティストたちは、毎日の些細な行為ひとつひとつに注意を傾け、興味の赴くままにそれらをすくいあげ、反復や誇張、あるいは少し手を加えることによって、日常における事物の隠れたしくみや違和感、または美しさを垣間見せたり、ただ過ぎていく日々の輪郭を浮き上がらせたり、日常に寄り添いながら、それらを独自のさりげない方法で結晶化させます。そして、作品を生み出すという行為そのものもまた、日々の営みとしてアーティスト自身の日常を形づくっています。
彼らが生み出すこうした何気ない日々の結晶は、わたしたちに毎日を生きるという当たり前のことを再認識させ、その意味を問いかけているのかもしれません。