ARTCOURT Gallery

Exhibitions

今井祝雄 Retrospective 17才~22才

2012.10.9[tue] – 2012.10.27[sat]  11:00~19:00 (土曜日は11:00~17:00) 日・月・祝 休廊

今井祝雄は1946年に大阪に生まれ、1964年に17才で初個展を開きました。以来50年にわたり、制作のジャンルもメディアも多岐にわたる作家活動を続けていますが、その最初期の5年間の制作・発表は目覚ましいものでした。
 初個展開催時には、すでに具体美術協会(以下、具体)の親子ほども年の違う会員との交流を始めており、その縁で個展会場を訪れた《具体》のリーダー吉原治良に認められ、1964年第14回具体美術展に出展することとなります。翌1965年には《具体》の最年少の会員となり、さらにその翌年にはグタイピナコテカにて個展が開催されました。《具体》で、前衛芸術とは何かを学び、表現の独自性を探求する姿勢を学びましたが、その《具体》での活動と同時に、新進気鋭の作家として数々の展覧会に招待され、一方で自らも発表の場を求めてコンペティションに応募し、シェル美術賞大賞を受賞するなど多方面からも評価を受けました。
 今井は白の作家として知られていますが、当時この「白」について今井は、「白は原色に塗られる宿命の色、受け身の色であるのとは逆にあらゆるものを包み込む色である。 又、白はそれ自体として存在する」 と記しています。繰り返しのリズム、膨らませる、切り込む、穴を穿つ、めくる、折ると機智に富んだ仕掛けが施されました。作品に浮かび上がる凹凸が作り出す陰影の妙、そこから表れる多彩な表情、白という色のバリエーションの豊かさに改めて気付かされます。
 本展では、初個展の出展作を始め、美術家・今井の最初期にあたる17~22才(1963~1967年)に制作された、初出以来およそ50年振りの展示となる作品を中心に、未発表作品や発表時の部材をベースに今回再制作された作品を含む、約20点を展示します。制作時のまま保管されていた作品は、素材に多少の変色が加わったことで、時代のエネルギーを感じさせると同時に、作家の斬新なセンスをまざまざと見せつけます。今井が若いエネルギーを傾けて制作、発表を果敢に続けた、非常に濃密な時期であったことをご覧いただければ幸いです。
 出展作の多くは、本展終了後に海外へ渡ります。そのため国内での最後の展示となる作品も多くあります。天才少年と呼ばれた今井の真骨頂をこの機会にどうぞご高覧ください。

関連イベント

  • 10.13 [sat] 15:00~16:00 ※終了しました。
    トークイベント 平井章一(京都国立近代美術館 主任研究員)×今井祝雄
  • 10.13 [sat] 16:00~18:00 ※終了しました。
    レセプション

出展作家

今井祝雄