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OAP彫刻の小径2024-25: ライン – 抽象彫刻を走らせるもの

2024. 5 - 2025. 10 OAP彫刻の小径(OAP緑地公園内、大川沿いのプロムナード / アートコートギャラリーより徒歩1分)

具象彫刻であれば、モデルとなる人体が彫刻のかたちを決める枠組みとなる。では、抽象彫刻の場合、かたちを決定する基準は何になるのだろうか。たしかに、モデルとして幾何学図形を用いるタイプもあるが、もうひとつ、枠組みをもたずに外部に延長してゆくタイプがある。そこで基準となるのはライン(線)であり、こうした彫刻はラインの働きによって展開する。前者では内側と外側が輪郭線によって区分されるが、後者ではラインが成長した軌跡がかたちとなる。具象彫刻(人体像)は生命感の表現を求めたが、ラインによる抽象彫刻は別の方法でそれを実現するのである。

本展の出品作品のタイトルからもわかるように、こうしたラインの展開は、結果として、屋外環境のさまざまな要素と結びつく。輪郭線=境界線による彫刻ではそうした要素と対比的な関係が築かれるが、ラインの彫刻はそうした要素と一体化するのである。

藤井匡(ゲストキュレーター|東京造形大学教授)

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■OAP彫刻の小径について

OAP彫刻の小径は、天神祭でも知られる大川を臨む水辺のプロムナード沿いに位置します。一年半毎にテーマを設けて展示替えを行い、親しみやすくをモットーに国内外で活躍する気鋭作家の作品を紹介する野外彫刻展を開催しています。

出展作家

内田晴之、岡本敦生、佐藤忠、戸田裕介

企画: 藤井匡(東京造形大学教授)