石塚源太 + 西條茜 by ARTCOURT Gallery
2021. 9.29 (wed) - 10.17 (sun) 会場:CADAN有楽町(東京) 火〜金 11:00-18:00 / 土日 11:00-17:00) / 定休:月10.17 (sun)11:00- トークイベント
漆と陶、それぞれの素材技法のうえに、自身の身体感覚を重ねあわせた造形表現で注目を集める作家、石塚源太(b.1982)と西條茜(b.1989)の新作展をCADAN有楽町にて開催します。両者はともに京都を拠点に活動し、2019年には金沢で開催された世界工芸トリエンナーレの企画展「越境する工芸」に出品、また数々の賞を受賞するなど、工芸と現代美術をクロスオーバーする新鋭として、今後の展開にさらなる期待が寄せられています。
緩やかな曲面フォルムにみずみずしい質感をまとう二人の作品は、その表面から内部への意識を誘い込みます。内側からランダムに膨張する凹凸のかたち、穴の奥へと続く空洞のゆくえ、素地に映り込む陰影の重なり、身体と内部共鳴し空間に轟く音など、素材とそこから喚起されるイメージを二人はそれぞれの作品に落とし込みながら制作しています。
石塚は漆という素材を起点に現象と思考を重ね合わせ、西條は陶の構造プロセスへの批評をポジティブに物語化することで、さまざまな感触で表面と内部、作品と空間を一つに繋ぎ、造形を媒介に生まれる人と人、人とモノとの新たな関係性に大きな関心を寄せています。
本展では、ミステリアスに人々を引き寄せる二人の作品世界を身体になぞらえ、「皮膜と内臓」をキーワードに新作の数々をご紹介します。私たちの日常や身体とも照らし合わせながら、また五感で味わうように、作品との対話をお楽しみください。
【石塚源太】
伝統的な漆芸を用いた抽象造形により、漆の「皮膜」を境に行き交う意識や感覚を探求しています。《感触の表裏》のシリーズは、伸縮性の布に球体の発泡スチロールを詰め、凹凸が連なる三次曲面を乾漆技法で仕上げ、漆に宿るつやを発露させた作品です。また、長い歴史をもつ漆素材と信仰の関係性にも関心を寄せ、知覚を超えて人々の無意識や想像にはたらきかける「皮膜」存在の可能性にも着目し続けています。
本展では「皮膜とその隔たり」をテーマに、半立体の大型作品をはじめ、内部の質感を表面に露出させた新展開の作品も発表します。
【西條茜】
表面のリアリティに対し内部は空洞であるという、陶造形の構造プロセスに虚構性を見出し、史実や私的体験に基づき作品世界を物語的に構築しています。有機的な形はしばしば西條自身の身体からトレースされており、また創世記のごとく土で造形した後に穴から中へと息を吹込み、空洞から音に形を与える作品へと内外を繋ぐ意識を発展させながら、ユニット「TŌBOE」としてパフォーマンス活動も行なっています。
本展では、身体と内部共鳴し音を鳴らすことがきる体内器官のような造形を配置し、自と他の境界線が曖昧になる瞬間を作り出します。
関連イベント
- 2021.10.17 [sun] 11:00-11:30
ART TALK supported by CVJ
出演:石塚源太、西條茜
会場:CADAN有楽町
参加無料、予約優先(15名)
Peatixからご予約ください。https://cadanarttalkartcourtgallery.peatix.com/view
*@cadan_instaからインスタライブも配信します。