日常風景を見た時に、ふと視界に飛びこんで見えてくる、奇妙な物の表情や存在感。鳩、雑草、砂利、街路樹、ベランダ…その中へと関わりを持ち踏み込んでいく、遊び、不安、恐怖…。
　水田寛は京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。油彩を自在に操り、色彩と即興し、知覚を超えたリアルな身体感覚をモチーフとともに忠実に表現へと投じる絵画作品を制作、いま大変期待が高まっています。その若手注目作家・水田寛のアートコートギャラリー初個展を開催します。
　ART OSAKA 2008に引き続き、鳩の群れ・怪しき棲息を多種多様な角度から捕えて描き込むシリーズの最新作、そして街路樹やベランダを描いた新作とをあわせて発表。人工物と自然物とが織り成す展示構成で、リアルな絵画との不思議な「かくれんぼ」を通して、絵画を見る楽しさを改めてご体感いただけます。どうぞご高覧下さい。


隠れ方には色々あります。
物かげに身を潜めたり、周囲の景色と同化したり、自分と似たものたちの間にまぎれこんだり。面白いのはそうした隠れるための創意工夫が意識的な時もあれば、無意識のうちになされる時もあるということです。
日常の中で蓄積されたたくさんの正しい理解も、同じくらいたくさんの勘違いも、両方それなりに大切だということを作品を通じて語っていけたら、と考えています。
ーーー水田寛