今日、「アート」の表現形態はこれまでにないほど多様化し、それに伴い「アートを鑑賞する」という行為もきわめて多面的になっています。アートと鑑賞者を媒介するギャラリーもまた、両者の変化に対応する柔軟性を身につけ、これまでとは異なる新しいあり方を模索しなければならないとアートコートギャラリーは考えています。
　そのような新たな方向性を見出すために、アーティスト藤本由紀夫と建築家、そしてアートコートギャラリーが共同で行なう実験的プロジェクト『建築する音』は今年で３回目を迎えます。今回はより実践的な試みとして、「ミクロコスモス（小宇宙）」というひとつの存在形態をモデルに、アートコートの空間を、作品を展示・鑑賞するための「箱」から、作品と人、そして人と人との相互作用を活性化させ、訪れる人の知的好奇心を触発するサロン的「磁場」へと変容させます。
　二日間にわたるプログラムでは、空間・人・作品が同等な構成要素として相互作用を促すユニークな装置を、藤本由紀夫と建築家たちが、さまざまなバリエーションで展開します。
　この機会に是非、ドリンクやフード、おしゃべりを楽しみながら、アートコートギャラリーの空間構成の実験にご参加下さい。